絹のおはなし

温ちゃんです。ここで一度絹のことをお勉強しようと思います。

今みなさんが履いている絹の靴下や肌着は、まず間違いなく外国産です。

生産国としては圧倒的に中国が多く、他にタイ、インド、ベトナム等があり、最近ではブラジル産が質がいいとのことで人気が上昇しているそうです。

え?国産って書いてあるよって、それは日本で縫製とかした場合国産と書けるからです。

隆盛を極めた日本の絹紡績も化学繊維に押され、今は群馬県にある数社が細々と国産生糸からの紡績をおこなっているのみだそうです。そういった生地は高級呉服や長襦袢などに使われますので、靴下やレギンスなどに国産糸が使われることはほぼありません。(一部生糸を取った残りのくず糸で限定品として腹巻などに使われることもあるらしい)

一般に生糸は染めて服地や反物などにして売られます。靴下や肌着に使われる絹糸は、絹紡糸(けんぼうし)とか絹紡紬糸(けんぼうつむぎいと)とか言って、生糸を紡いだ際に出るくず糸を原料としています。その残りで糸にできないようなものを伸ばして綿状にしたものが真綿(まわた)。真綿っていってもコットンじゃありません。

その真綿をさらに頑張って糸にしたのが紬糸といいます。絹紡績ってまったく無駄にすることなく余すところなく絹を活用しているんですね。

【生糸】まゆを煮て、6~8本の糸を引き伸ばしながら束ねた糸。フィブロインという繊維とセリシンというタンパク質で構成される。絹織物の原料

【絹紡糸】くずまゆ、出殻まゆなど生糸にならないまゆを原料に綿状の短繊維にして紡いだもの。スパンシルクとも言う。

【絹紡紬糸】絹紡糸にならない短い繊維を集めて紡績したもの。絹紡糸に比べ品質が落ちる。

【紬糸】糸にならないまゆを集めて引き伸ばしたものが真綿。真綿を手で紡いだのが紬糸。原料として質は落ちるが、手で紡ぐので独特の風合がある。

【絹糸】生糸からセリシンを除去して、よりをかけた糸。手縫い用とミシン糸がある。

絹紡糸や絹紡紬糸もいろいろなランクのものがあります。

じっさい絹の靴下も比較してみると、つるっとして光沢があるものから、ごわっとしてこれ絹?ってものまでいろいろありますよね。

上質な絹紡糸で作った絹地のほうが肌触りがよく丈夫です。でもお値段も高い。

靴下は絹紡紬糸で作った安めのものでもいい、というご意見もあります。排毒の効果は変わらないそうです(あくまで聞いた話ですが)し、絹紡紬糸のほうが空気を溜め込んで温かいとどこかに書いてありました。

肌着は上質なものを、3枚目のソックスなど直接肌につけない部分はくずまゆを使った絹など、ご予算や用途によって使い分ける知恵もあっていいのかなと思います。

シルクは暖かく、美しい光沢を持ちしかも軽い繊維です。5000年の歴史を持ち、シルクロードをはじめ様々な歴史の主役をになってきました。

でも、まゆが生糸になり生地になる過程ではたくさんのカイコの命を奪っています。

絹というのはカイコの命だということを私たちは忘れてはいけないと思います。

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