醤油の話し

日本酒が好きな人に質問。醸造用アルコールで作った安いお酒と、価格は倍以上してもおいしい大吟醸本醸造のお酒とどちらを飲みたいですか?

お酒にこだわるあなたも、お醤油はスーパーで買った安いのですませていませんか?

醤油もちゃんとつくれば、お酒と一緒で手間もコストもかかります。いやむしろ、熟成に時間がかかる分醤油のほうが本醸造と促成醸造されたものでは価格に差が出るのはあたりまえではないでしょうか?

醤油は日本の伝統的な発酵食品。大豆と小麦に麹と塩水をまぜたもろみで仕込み1年から2年じっくり時間をかけて作ります。具体的には麹菌や酵母の力で、ゆっくりと大豆と小麦のたんぱく質を分解してうまみ成分であるアミノ酸にかえていくことで美味しい醤油が出来上がります。

ところが、安い醤油の場合は輸入の脱脂加工大豆(遺伝子組み換えのものも)を塩酸によって分解して数カ月で作ったお醤油風調味料です。味の至らない分はグルタミン酸ナトリウム(化学調味料)を使い、甘味も足りないのでステビアなどの甘味料を、コクととろみは増粘多糖類、色はカラメル色素、日持ちの悪さは保存料でカバーして、いかにもお醤油っぽい味に仕立てあげます。

そうやって本物そっくりの醤油風調味料のできあがりです。そういうところ、器用だよね。

醤油だけでなく調味料全般にいえることですが、今まで使っていたのを本物に変えた時に意外と家族も気がつかないというか味の違いがわからないものです。ところがしばらく使ってもとの安い調味料にかえたときに、家族から「味変わった?」といわれます。「前のがよかったな」といわれて、あなたも本気で本物の調味料を使い続けることになるでしょう。

本物の醤油と言っても1リットルのもので、たいていは1000円ちょっとで手に入ります。しかも日本酒みたいにがぶがぶ飲むわけではないしコスト的にはそんなに負担にならないはずです。え、なに?がぶがぶなんて飲んでないわよですって!?失礼しました。

そして伸びが違うので、伸びが違うってどういうことかというと煮物やお吸い物などに使ったときに少しの量でおいしさが引き立つということ、安いお醤油より少しの量で味がきまります。だからそんなに高くないって。

「ほんものがいいのはわかっているけど、旦那の給料じゃね」というあなた、ほかは後回しにしてまずは調味料だけ本物にしてみてください。そのうち、少しずつ味覚がほんものを見分ける力がついてきて、野菜やほかの食べ物の味の違いもわかるようになってきます。

天然繊維の肌着が気もちいいのといっしょ。少しずつ少しずつ本物が心地よくなって戻れなくなっていきますよ。

もう一言いえば時間をかけて作られた醤油は体を温め、化学的に作られた醤油は体を冷やします。

日本の伝統的な発酵食品、大切にしたいですね。

ここでさりげなくボスからの宣伝です。

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