食べ物の放射能内部被ばくについて

内部被ばくに気をつけることの大切さ 上の図はチェルノブイリ原発事故後に食べ物に気をつけた人と気にしなかった人のセシウム体内蓄積量の違いです。 また、サンプルとしては十分ではありませんが日本でも、母乳や尿の調査から福島原発事故後に食べ物に気をつけた人とそうでない人で体内放射能濃度に違いが出ています。

 乳幼児や胎児は大人に比べて放射能の感受性が高いことがわかっています。また放射能は母乳に出やすいので、乳幼児、胎児そして授乳中のお母さんは特に気をつけることが大切です。 低線量被ばくは、どのくらいから大丈夫という基準(しきい値)はありません。少しでも体内に取り込めばその分健康リスクは高まります。国のいう基準値は、このくらいまでは我慢しようという社会的あるいは経済的な基準値でしかないのです。 上のグラフは、一度にたくさん被ばくするより毎日少しずつ(たとえば10ベクレル)ずつ摂取した場合のほうが体内にたくさんの放射能が蓄積されるということを表しています。 少しずつの被ばくで健康リスクが高まることは米ソ核実験がさかんだったころのグラフでもわかります。 また、放射能を無力化できるのは時間だけです。煮たり焼いたり、ましてや微生物や波動、食品で放射能を消すことは絶対できません。ただし、身体に長くとどめず早めに排出させることはできると思いますし、少しくらい放射能によって体内細胞が傷つけられても修復させる免疫力を高めることは可能かと思いますが、その話はまた別の機会にしたいと思います。気をつけなければいけないのは体内から排出された放射能はまた環境へと流れ、いずれまた私たちの口へと戻ってくる可能性もあるということです。 そうはいってもむやみに恐れたり心配したりする必要はありません。成人でしたら少し気をつけるだけで、かなり放射能による健康リスクは減ります。おかあさんや乳幼児も、検出限界以下(数ベクレル~10ベクレル以下)の食品だけを選んで食べていれば、まず健康被害はあらわれないと私たちは考えています。

放射能の測定をしてわかってきたこと

一般に売られているガイガーカウンターは空間線量を測るためのもので食品や水の放射能は測れません。また、自治体などがよく導入するシンチレーションサーベイメーターといって、筒状の検知器をあてて測る機械は、数10ベクレル以上汚染された食品をみつけるスクリーニングには最適ですが、食品の放射能を数ベクレルまで測ることや核種(セシウム137とかヨウ素131とか)を特定することはできません。国や研究機関が持っているゲルマニウム測定器は1ベクレルまで測れ、精度は高いのですが、数千万円かかり、また常時液体窒素で冷やす必要があり、地方自治体や市民レベルで持つのは難しいと思います。(日本国内に256台しかありません。) また、ゲルマニウム測定器で1ベクレルまで測ろうと思えば何時間もかかり、またお金もかかってしまいます。すべての食品をゲルマニウム測定器で測ることは物理的時間的に不可能です。毎日食べるお米や小麦、乳幼児も飲食する乳児用食品や飲料水、牛乳などはしっかり測り、主食に比べ摂取量が少ない野菜や肉、加工食品などはシンチレーション測定器で数ベクレル~10ベクレルまで測定して検出されなかったものは心配ないと考えています。(なかにほんとうは0ベクレルでないものが多少あったとしてもトータルとしての摂取量はかなり抑えられると思います。) 私たちはNaIシンチレーションスペクトロメータ測定器という機械で食品や土壌、水などの放射性セシウムと放射性ヨウ素を数ベクレル~10数ベクレル(検体量や時間で違う)の精度まで測っています。(購入価格約180万円) 私たちの測定や、ほかの市民測定所からの情報、また公の機関からの発表でわかってきたことがいくつかあります。 まずは、私たちの住む信州伊那谷の生産物は心配ありません。私たちは今まで米、水道水、牛乳、ヨーグルト、野菜、りんご、干し柿、川魚、きのこ、シカ肉、小麦粉など、いろいろな食品や飲料を測ってきており、伊那谷産のものからはまったく放射能は検出されませんでした。その一方で茨城産のれんこん、水菜、群馬産のきのこ、栃木産の白菜、宮城産の真ダラ、静岡産のお茶、福島産のコメ、じゃがいもなどから放射能が検出されました。流通に乗って少しずつ私たちの食卓に放射能が忍び寄ってきています。 私たちは放射能汚染の心配がある食品を中心に調べたり、メーカーに確認したりしています。ただ、すべての食品の調査をすることは不可能です。常識的に考えて心配のないものは調査の優先順位は低くなります。 トマト、きゅうり、なす、などのウリ科ナス科の野菜は放射能が溜まりにくいといわれています。逆に小松菜、白菜、キャベツ、大根、菜の花などの野菜は注意が必要です。水菜や春菊、ブロッコリーなどは強い嵐や台風のあとは注意です。福島市の玄米を測ったところ100ベクレルでしたが精米したら1/3に減りました。(逆にぬかには2/3残っていることになります。)泥田でとれるお米やれんこんは収穫前の秋より収穫後の初冬のほうが同じ田圃でも数値が高くなりました。お茶やハーブは昨年2011年収穫のものは注意、今年の収穫は少しは安心できると思います。きのこやベリー類、山菜などはまだしばらく注意が必要です。果物で気をつけなければならないのは柿やかんきつ類です。りんごやぶどうは比較的安全です。川や湖の魚はたまりやすいので注意。海の魚は海底を泳ぐカレイやヒラメ、エイ、近海を泳ぐ真ダラやクロマグロ、サケは注意。遠洋を泳ぐビン長まぐろやさんまなどは比較的安心です。アワビやうに、カキなどは産地が近いものは気をつけましょう。三陸の養殖業は壊滅状態でしたが少しずつ復興してこれから食卓に上がる頻度も高くなります。測定して不検出のものは積極的に食べても大丈夫です。昆布やわかめなどもこれから三陸産が復興してきます。不検出のものを選びましょう。 福島では最近、放射能汚染されたお米や農産物が業者によって安く買い取られるケースが急増していると聞いています。九州の干しシイタケや沖縄そばからも放射能が検出されています。 福島の原料が日本全国流通していることや、産地を偽装したり隠したり、ロンダリングといって汚染されていない原料とまぜて、薄めて流通することによってこれからは西日本のものが安心とは言えなくなってくると考えられます。

東日本を応援することと私たちの健康を守ること

それではどうしたらいいのでしょうか?まずは測ることです。そして測って大丈夫な食品を産地にかかわらず積極的に購入して食べてください。 福島周辺の農家でも震災後すぐにマルチで農地を覆い雨を防ぎ、表土を剥ぎ、山の落ち葉を腐葉土に入れないようにして菜の花や牡蠣ガラで除染したりした畑からはまったく放射能が検出されませんでした。そういう努力をしても福島だから茨城だからと食べないが風評被害です。また放射能が検出されなかった被災地の食品を食べることがほんとうの被災地の応援だと思います。むやみに輸入品や西日本のものばかりに走れば、東日本の一次産業は立ち行かなくなっていきます。それはそのまま私たちに返っていくことになるのです。 一時騒がれた中国の農薬汚染された野菜がまたフリーパスで入ってきているという話も聞きます。中国の経済力が強くなってきたことと、日本の輸出が放射能で厳しくなったことで、力関係が逆転してアジアで一番厳しいといわれた日本の輸入食品検査がほとんど機能しなくなってきています。 国産品より輸入品が、露地物よりハウス物が、近海物より遠洋の魚が、平飼いよりケージ飼いが、有機農産物より工場で作られた野菜のほうが安心できるなんて絶対おかしいと思いませんか? 私たちが気をつけなければいけないのは放射能だけではありません。農薬も添加物も遺伝子組み換えも、全部ひっくるめて安全で健康な食品を私たちは提供したいと思っています。 信頼できる店で販売している、しっかり測った食品を食べることで、私たちの健康も東日本の農業も守られると思います。]]>

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