放射能汚染食品の取り扱いについて

5月12日投稿 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ てくてくでは、可能な限り放射能汚染のリスクの少ない食品を取り扱っていきます 農薬や化学物質、環境ホルモンや遺伝子組み換え同様、てくてくでは放射能汚染の心配がある食品は可能な限り扱わないようにしていくことにしました。 食品取り扱いの基準としては、 1.3月11日以前に生産・製造された食品は放射能汚染の心配はほとんどないと判断 例)米穀類、加工品、調味料、乾物など 2.土壌や空気中から放射能が検出されていない地域で生産・製造された食品は放射能汚染はほとんど無視できるレベルと判断 3.3月11日以降に放射能汚染の可能性のある地域で生産・製造された食品に関しては可能な限り、公的機関の分析で放射能が検出されなかった食品のみを扱う もちろん、今の時代でまったく放射能汚染の心配がない食品などないことも確かですが、暫定基準値にかかわらず、食品分析値の検出限界を超えて放射能値が検出された食品は食品も扱いません。また放射能汚染の可能性のある食品もできる限り避けていこうと思います。 そう言い切ってしまうと、今はまだほとんどが震災前の食品ばかりですので心配ありませんが、今後扱える食品がだんだん限られていってしまう恐れがあります。当然てくてくのような小さな店が独自で分析器を買えるはずがありません。したがってこれからは卸販売元に、放射能の分析をしつこく要求していく必要に迫られます、でもそれはやっていかなければならない仕事だと思っています。 そう決定するに至った経緯を話しますと、まず野菜の取り扱いの問題が降りかかってきました。 4月上旬のことです。 取り引きのある茨城の農家が独自に放射能検査をして暫定規制値2000Bqのところ50~1800Bqが検出されました。 この数値を見て、一般のお客さんはこの野菜を買うだろうか。自腹を切って検査した農家の誠意をわかってもらえるだろうか。 農薬や化学肥料などを使わず、土や水を汚さず食べる人と作る人の健康を大切にして作られた野菜や食品を届けたい。そして、その生産者・製造者を支援したいという思いが、引き裂かれ、行き着く先がありませんでした。 農薬や遺伝子組換え、化学物質と同じように放射能も避けるべきリスクとして、少しでも混入しているものは食べない。食の安全を主張するのは消費者の当然の権利、という声も聞こえます。 しかしそれを、福島や茨城の農家に受け入れろというのはとても酷な話です。 個人的には大人である自分は放射能のかかったものでも食べるけれど乳児や幼い子どものいるお母さんに、被災者のために食べて、とは言えない。 原発事故後も、てくてくでは原発事故の被災地の野菜を取り扱いしていきながら、今後どうしていこうかずっと悩み、また店のスタッフとも話し合いを重ねてきましたが、最終的に原発事故の被災地で放射能が少しでも検出された野菜・きのこはもちろん、その疑いがある野菜の取り扱いはしばらく見合わせることにしました。 ここに至るまではいろいろな葛藤がありました。各地の放射能値もこまめに追いかけました。 地元の有機農家と話をしていて、そう決断した理由を上手に言葉にして説明できませんでしたが、少しずつわかってきたことがあります。 それは、原発事故の被災地の農産物が売れないのは「風評被害」ではなく「原発被害」であることをはっきりさせなければいけないということだと思います。 風評被害と言えば、無知な消費者がうわさに惑わされて買い控えるからいけないのだという論理になります。でも消費者が原発事故の被災地の野菜を買わないのは放射能から身を守ろうとするからで、悪いのは農家でも消費者でもないことをはっきりさせなければいけないと思います。 原発事故の被災地の農家の生活を守らなければならないのは、消費者ではなく、政府や東電です。 農協が福島の農家応援キャンペーンと銘打って産直販売を行うのも、消費者グループが福島茨城農家応援パックを会員に販売するのも農家は元気をもらえるかもしれませんので反対はしませんが、政府や東電の責任をないがしろにしてはいけないという思いをあらたにしています。 また、事故から時間が経過して、一見放射能値が下がったように思われるかもしれませんが半減期の短いヨウ素が減っただけでセシウムなどはどんどん累積していますので健康リスクは減っているわけではありません。 内部被ばくに、これだけなら安全という限度はありません。また、健康リスクは被ばくの総量にほぼ比例しますので今後放射能の値に敏感であるか否かで将来起こるであろう「健康被害のリスク」に大きな違いが出ることは、すでにチェルノブイ後の調査で明らかになっています。 放射能に敏感になりましょう。特に乳児・幼児・妊娠中のお母さんは神経質すぎるくらいに注意しましょう。胎児は成人の最大100倍、乳幼児は最大10倍放射能の影響を受けやすいという報告も出ています。(推進派寄りの報告でも乳幼児は数倍影響受けやすいとされています) なお、放射能汚染だけを考えれば輸入食品やハウス栽培の野菜、遠洋で獲れた魚やケージ飼いの鶏卵のほうが、国産の農産物や露地栽培の野菜、近海の魚や平飼いの卵より安全ということになります。 しかし、てくてくでは農薬やダイオキシン、化学物質と同様放射能も今後健康リスクの一つととらえ、今は特に放射能に気をつけながらトータルで安心できる健康な食品を提供していきたいと思っています。 —————————————————- 実は最近さぼりがちではありましたが、私たちは個人的に友人たちとともに30年近く前から脱原発の活動をしてきました。 ここ2カ月は浜岡原発を止めたいと願い、学習会や署名活動などをしてきました。 条件つきではありますが、浜岡原発が運転停止になることをたいへん喜んでいます。 今後は他の原発もリスクの高いものから少しずつ運転を停めて、脱原発の世の中に近づいていってくれたらと願っています。 2011年5月12日 てくてく 立田]]>

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